もんちゃん日記

もんちゃんです。2013年よりブログを始めました。宜しくお願いします。

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January 28th, 2013

* 「いのち」の一冊

北条民雄の『いのちの初夜』。
最近読んで、感動の涙を流した小説です。

戦前の古い作品ですが、川端康成が推奨して出版された名作。
学生時代に一度読んだのですが、たまたま私立図書館で目にして、20年ぶりに再読しました。

内容は、ハンセン病を患った主人公(作者の北条民雄自身です)が、専用病院へ入院する、その最初の一夜を描いたもので、タイトルはそこから来ています。

当時のハンセン病は死の病。
さらに世間からの深刻な差別を抱えた難病でした。主人公は20歳そこそこの若さでこの死病を得てしまうのです。

肉体的な苦痛だけでなく、むしろそれ以上かもしれない精神的苦痛と恐怖。

入所直前、自殺を図りながら果たせず、自暴自棄の状態で入院します。
そこで同病の青年から「必ず生きる道はありますよ」と諭され、ここで生きる決意をするという話です。

実は舞台となったその病院は今も実在します。
東村山の「全生病院」という施設で、今は「全生園」と名前を変えています。

ハンセン病はすでに治療法が確立され、新しい患者が生まれなくなって、高齢の患者さんが残っているというのが現状です。
今年だったと思いますが、園内に保育園を新設する計画がある、というニュースを聞きました。

悲惨な差別の時代はすでに完了し、新しい「全生園」に生まれ変わっていくのだと思います。あの病院が生まれ変わって、保育園ができると知ったら、北条民雄はどんな感慨を持つだろう、と想像し、深く考えさせられました。
生涯忘れられない一冊になりました。

Category:None | BlogTownTheme:読書

Posted by もんちゃん at 17:50 公開:すべてに | Comment(0)

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